ハサミ男(ネタバレ有り感想)

 
 

一言

ずっと読みたかった。
 
 
以下、思いっきりネタバレしながら感想を書きます。
 
というかじゃないとなにもかけない。
 
読んでいない人は読まないでください。
 





 
 
 

ハサミ"男"

 

安永知夏というハサミ"男"では無かったというオチ。

 

と言っちゃえばなんてことはないんですが、
シザーハンズとか、ハサミ男のテーマ?XTCだか、丁寧に騙そうとしている。
 
 
なんだけどー、なんだけど、
 
一人称がわたしって言い続けるから、
 
男の私?女の私?
 
って素直に疑っちゃったよ。
 
これは、叙述トリックというものを知っている人が読んだらピンと来ちゃうだろうなぁ。
 
実際少し疑いながら見てしまって、蓋を開けたらおもいっきりその通りだった
 
ちょっと、想像を超えて欲しかった。
 
ちょっと文句を言ってしまったが、どんでん返し初心者にはオススメ。
 
 

犯人

 
探偵役ぶってたあいつ。
 

犯罪分析なんちゃらのあいつ。

 

堀之内 靖治。

 
結婚生活に疲れた中年男性が女子高生に軽い気持ちでそそのかされて、本気と書いてマジになっちゃった痛い男。
 
 
のちのちはぁ、そういう事ねとは思うけど、こいつの重要度そんなに高かったかね?
 
 

安永知夏がタルミヤユキコを追いかけている時に発見したのがこの人。

 
見てる間は楽しそうにしてたのにね。

(でも仮にも警察が昼間っから女子高生とマック行くか?アホ過ぎないでしょうか?)

 

 
清純そうなあの子が…
 
とショックを受けつつも、きっと父親だろう、うん、そうだ。
 
 

なんて納得したのに、結局その通り、淫乱アホ女だった。

 

 

 

友達のアヤコがなんて庇おうが、若気の至りで済まされないアホタレ淫乱バカ女だった。

 
 
 

医者ってなんだったのか

 

結局のところ、

 

安永知夏の別人格っていう解釈でいいのかな…

 

 
この医者も、読者目線で言うと
 
序盤:自殺願望のあるハサミ男=日高光一の主治医
 
中盤:自殺願望のあるハサミ男=日高光一の別人格??
 
終盤:自殺願望のあるハサミ男=安永知夏の別人格???
 

ってな移り変わりなのに、そんなに説明がなくて一体なんだったんだって話だし。

 

 

別レビューを見た際に主人格ってのが書いてあったんだけど、体が女の主人格は女のままでねーの?
 

日高光一ってなんだったのか

 
ただの遺体第一発見者。
 
 

結局こいつは何もしていない。

 

 

 

そんな事わかるはずない。

 
ただの一人暮らしのデブ。
 
白い豚とか書かれている箇所もあったりしたので、相当な不健康なデブ。
 
 
 

レトルトカレーを冷蔵庫に入れて冷やして保存してしまうお茶目さん。

 
 

安永知夏がハサミ男だと見抜いて、ウフフな妄想をしていたアホ。

 

 
脅そうとして見事に安永知夏にコロスケされた可哀そうな男。
 
 

ハサミ男として殺人に至った動機

 
これがいまいち語られていない。
 

可愛い女の子が好きってだけ?

 

 
その割には、首絞めた後にハサミを指すというなんとも訳の分からない行為。
 
 
 
年頃の女の子の肌に切れ味の悪い刃物を無理無理差し込んでいる時の表情が

たまらなく好き!ウッフン!

 

とかそんくらいの事言ってくれないと何故二人も殺したのかが…

 
 
もうちょい語って欲しかったかな。
 

安永知夏とは一体

 

日高光一と思って読まされていたのはずっと安永知夏だった。

 

 

改めて見返すとわかるが、日高光一は一回も語り手として登場しない。
 
 
なんじゃそりゃ感、誰じゃ感、カンカーンは否めないです。
 
 

自分の事をデブと思っている至って普通体系の女性のようです。

 
 
 
こんなデブを…
 
とか自分に対する批判がひどい。
 
 

美人の癖に卑下しやがって。

 

そんなことしちゃダメなんだかかんね!!!

 

 

自殺願望の癖があるんだから、摂食障害の気があっても不思議じゃないか。

 
飢餓で死ぬのだけは耐えられないと言っていたし、ミートパイは美味しかったらしい。
 
 

結局ハサミ男は捕まらない

 

結局、本物のハサミ男を捕まえることはできなかった警察。

 
惚れてるのもあるけど、なんで、同じ遺体の第一発見者である日高光一にノコノコ付いていったの?
 
 

という疑問はそのままなのかしら?磯部ちゃんよ。

 
 
そんで今回の女子高生殺しであるあいつがいるカオスな場所に、なんでいるの?
って普通だよね?
 
 

ちょっと無能過ぎません?

 

 

読者は真実を知っているからかもしれないけど、ちょっと小説にありがちなザ・無能警察感は否めない。

 

 

 

そしてハサミ"女"は…

 
「君、名前はなんていうの?」
 
 

これが最後の文章でゾクッっとした。

 

 

クッキーくれたお孫さんだっけ?名前聞いて…こわっ

 
エッエー捕まらないの~
 
 
そんで色々な未来を想像していた割には、案外また次の獲物を見つけるというラスト。
 
 
 
ひぇぇー
 
 
でもこういう終わり方めちゃ好き。
 
 

疑問点

 

・なんで義理の弟は葬式の最中に走り去ったのか?

 
安永知夏が雑誌の記者の振りして弟の取材を申し込むと、血の繋がっていないお姉ちゃんに好意を抱いていた様子。
 
 
 
つまり、家族としてというよりかは、好きだった人に死なれてショックだったから、でしょうか。
 
 
 

・なんで義理の父親は葬式の間母親より辛そうだったのか

 
これも弟に近いものがあるんあろうけど、娘ができて物凄く嬉しかったみたいな描写があったような。
 
 
家族以上だけど、年頃の可愛い娘が殺されて、単純に辛かったのかと。
 
 
 

・お友達だった椿田 亜矢子は何故ちょっと遠くに?

 
一番仲が良かったからこそ、辛くて辛くてたまらなかったから。
 
 

というのを、警察視点の時に、葬式に「観察」に来ていた誰かに見抜かれていたよね。

 
その後、安永知夏が取材をした時も、ただの淫乱じゃねーんだいバーロー。実験だいバーロー。
 
 

とかいうさすがはティーン的な回答をされた。

 

 

 
まぁそれだけの理解者だったという事ですね。
 
 
 

・お母さんはなんだったの?

 
単純に娘を愛してはいたけど、離婚する事になってしまって、単純に年頃の子供を手に余らせてる。ってことかい?
 
 
 

・ライターはなんだったの?

 
ライターのKは日高光一のKで、お前が落としたんだろ?と聞いたのに違うんだって。
 
 
結局kのイニシャルのライターとかいってなんにもなんなかったね。
 
 

意味なし小道具。犯人はこいつだな?と惑わせるための小道具。

 

 

なんでもないってなんだよ!!

 

 

 

・警察の人多過ぎ

 

人多すぎて、警察視点側を読むのがしんどかった。

 

 

 
だから、最後の方で磯部というのがフューチャーされてて、イソベッチの行動を追ってなかったと後悔。
 
 
 
でも、上司とか、煙草吸い過ぎの人とか、キャリアがどうとか、そこは結構どうでもよいのですよ。
 
 
 
ミステリには付き物だけどね。
 
 
 
 

・バイト先の編集者の人多過ぎ

 

意地悪な社員とか結局なんだったんだろうか。

 

 

有能編集長とか。

 

 

 

・なんで堀之内は最後自殺したの

 

しかも安永を庇って?

 
もうどうにもなんない取返しがつかない事に気づいたのはわかるけど、なんでわざわざ犯人は僕でーすって叫んだ後に…?
 
 
こういう疑問が湧いちゃうと、ラストの為だけにとしか見えなくなっちゃう…
 
 

まとめ

 

ずっと読みたかったー。

 

「小説 どんでん返し」で調べると必ず名前が挙がってくる小説。

 

 

とりあえず読めてよかった。
 
 

ラストのネタ晴らしのところはやっぱり爽快だった。

 
色々ミステリを読んでからだから、わかっちゃった部分有り。もっと早く読みたかった。
 
 
 

ブクオフに売ってないんだもの…。

 
読みた過ぎてアマゾンで買ってもうた。
 
 
 
 
調べたら著者がもう亡くなっていると…
 
 
早くして著者が亡くなっているのがまた惜しいところ。
 
 

他の作品もなんか読んでみようかな。

 

 

 

最後までお読み頂きありがとうございました。